福岡・那珂川に誕生したばかりの「伊料理 𠮷越」、更に料理は続いていく。「ビオンディ・サンティ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ 1985(Biondi Santi Brunello di Montalcino)」を味わいつつ歓談しているところへ、2色の献上博多織風呂敷に包まれた何かが運ばれて来た。
あ、これは以前「リストランテASO」七夕ディナーで登場した事がある!今日は中に何が入っているのだろう・・・開けられると、魚料理となるパイ包み焼き「甘鯛 大根 出汁」が登場した。

美しく焼きあがったパイの真ん中にはハーブのブーケが刺してある。それを前に吉越シェフは急須を手にし、ハーブの穴からスープをたっぷり注いで完成だ。新鮮なハーブの香る中パイを崩し入れながらホクホク頂く。
器の中にはぷりぷりの甘鯛や蛤に穴子、桂むきした大根は柚の出汁で煮ている。さすが吉越シェフお得意のパイ包みといった感じで満足の一品だった。

続く肉料理は「牛ひれ グリーンアスパラガス 小芋」。大分牛のA4ヒレ肉は、あえてA5ではなくA4の味わいで仕上げたという。ブルネッロにもぴったり、赤身の柔らかく滋味深い味わいに納得する。
みずみずしいアスパラガスや芋も香り豊かに季節を感じる。サバイヨンソースと共に美味しく頂いた。そして〆の麺は弟子の田村くんのお得意「辛いトマトソース スパゲティ」。小さなポーションであるが全体のコースの量に上手く組み込まれている。場合によっては客のお腹具合を聞いて量を調整することも考えているそうだ。

気が付けば外はすっかり真っ暗、店前の川には蛍がチラチラ光っているのが見える!カエルの声が響き空には月も輝く。
最後のデザートは朝からシェフが一から仕込んでいたという「本わらび餅 黒糖」だ。漆椀に氷が敷かれ、その上にプルンプルンのわらび餅が並んでいた。出来立てならではのとろける滑らかさ、黄な粉と黒蜜を付けて頂く。それにジェラートが添えられる。濃厚ながらさっぱり頂けて美味。その影響で妻がデザートワインが欲しいと言い出す。

飲み物はエスプレッソなどが付いているのだが、カウンターに飾ってあった「ナルディーニ グラッパ(Blo. Nardini Grappa)」のボトルセットを見落とすわけがなかった(笑)迎えのハイヤーが到着するまでの間、〆にお勧めのグラッパをいくつか頂く事にする。
「ザ・ひらまつ ホテルズ & リゾーツ 仙石原」山﨑稔総支配人が、開店祝いに贈ったものだそうで、そんな貴重な物を贅沢にも開けてくれたのだ。結局3本も開栓して私は琥珀色のリゼルバを、妻はビアンカのトロトロ甘さに大喜びでお替りまで。

さすがアクアヴィーテ(生命の水)の造り手と自負するナルディーニ社の極上グラッパだった。すっかり時間も遅くなり申し訳なかったが、ご機嫌で車に乗り込み手を振りながら「伊料理 𠮷越」を後にする。記憶に鮮明に残る記念すべき夜であった。ちなみに7月6日よりランチ営業の予定だそうで楽しみ方が増えるだろう。
Italian Cuisine Yoshikoshi
615 Ichinose Nakagawa-si, Fukuoka-ken 811-1233
Japan
Great restaurant with a fusion of Japanese and Italian cuisine.

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