記念日は DRC ロマネ・コンティ/ラ・ターシュ Domaine de la Romanee-Conti

フランス・ブルゴーニュ地方ヴォーヌ・ロマネ村ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ(Domaine de la Romanee-Conti、DRC) 社」。名前はローマ時代からブドウ栽培が行われていた土地との事で「ロマネ」、1760年に所有者となったコンティ公ルイ・フランソワ・ド・ブルボン(ルイ15世の従兄弟)から「コンティ」となったらしい。その当時はコンティ公爵が友人とともに味わうプライベートワインだったというから驚く。

DRC ロマネ・コンティ Domaine de la Romanee-Conti Romanee-Conti Grand Cru

2000年以上葡萄だけを育てて来た最も理想的な土地、そこから生まれる特別な葡萄。歴史に翻弄されながらも頑なに丁寧な伝統的ワイン造りを続けて来た。その結果こそが今の神話的ワイン「ロマネ・コンティ」の存在と言う訳だ。
そんなDRC社が所有するグラン・クリュは「ロマネ・コンティ」「ラ・ターシュ」「リシュブール」「ロマネ・サン・ヴィヴァン」「グラン・エシェゾー」「エシェゾー」。

DRC ロマネ・コンティ Domaine de la Romanee-Conti Romanee-Conti

ヴォーヌ・ロマネ村のグラン・クリュは1haあたり収穫3500Lまでと定められているが、ピノ・ノワール種1.8haから生み出される「ロマネ・コンティ」は1L~3Lで平均年産約4000~7000本。その希少性から世界で最も高額なワインになっている。以前わざわざブルゴーニュのDRC社まで伺った位なので、我が家では大きな記念日にはなるべくDRCを開けるようにしている。
例えば「DRC ロマネ・コンティ 2004(Domaine de la Romanee-Conti Romanee-Conti Grand Cru)」は5663本が作られた(ナンバリングされている)。

DRC ロマネ・コンティ 2010 Domaine de la Romanee-Conti Romanee-Conti Grand Cru

ラベルのシンプルさからもDRCの自信の程が伺えるようだ。コルクにはお馴染み「ロマネコンティの十字架」の焼印。中でも帝国ホテル「レ・セゾン」で「1998年」を開けたのはとても幸せな思い出となった。
ちょうど「アルページュ」アラン・パッサール(Alain Passard)シェフが来日していて、ティエリー・ヴォワザン(Thierry Voisin)シェフも含め皆でワイワイ楽しく過ごせた。そして正月、「京都吉兆」のお節と共に開けたのは「2010年」だ。

DRC ラ・ターシュ 1989 Domaine de la Romanee-Conti La Tache Grand Cru

先日家で開けたのは「DRC ラ・ターシュ 2012(Domaine de la Romanee-Conti La Tache Grand Cru)」、コロナ中は「2002年」「2009年」「1998年」を家で開けた。
思い返せば、コロナ前に「ル・クロ・デ・サンス(Le Clos des Sens)」ローラン・プティ(Laurent Petit)シェフ来日ディナー時には「1989年」を開けた。最高峰「ロマネ・コンティ」の南に位置する第二のワインがこの「ラ・ターシュ」。

DRC ラ・ターシュ 2002 Domaine de la Romanee-Conti La Tache Grand Cru

「ロマネ・コンティの腕白な弟」とも呼ばれ、年度による差が余りなく安定した美味しさに定評がある。ピノ・ノワールの6.06ha、年間1800ケースが造られている。
動物の毛・淡いインク・薔薇の花束、DRC香を確かに感じるが、どこか落ち着いている。アタックは存在感がない程スムーズながら、凝縮感のあるタンニン、力強い赤い果実味が広がった。

DRC ラ・ターシュ 2012 Domaine de la Romanee-Conti La Tache Grand Cru

途中から水槽のように真ん丸なロマネコンティ専用グラス「バカラ ワイングラス デギュスタシオン・ロマネコンティ(Baccarat Degustation Glass Romanee Conti)容量1.5L」に替えると、まだまだ強いタンニンも柔らかさが表に顔を出す。口中全体から液体が入って来るので、舌両側の酸味部分も刺激するためバランス良く感じやすいのかもしれない。続く