前回に続いて「リストランテ Kubotsu」で初の試みとして開催された2日間のみの「COLLABORAZIONE DI CHEF ~シェフ達の饗宴~」。東京・大阪・京都からひらまつのイタリア料理シェフ達が集結した。メニューにも各シェフの名前が刻まれ、次々とテンポよく供せられる。
2日目は初日より多く40人以上の客ということだが、「ウェディング」で鍛えられたスタッフの動きはさすがスムーズ。厨房は14人もの体勢という。窪津朋生シェフ「とうもろこしのカンノーリ」、筒井崇海シェフ「タコのカルパッチョ 豆腐のムース」、高田シェフ「クレソンのジョノベーゼ」に続き、魚料理は「石茂魚の炭火焼 なにわ野菜とサマーポルチーニ 紀州梅香るブール・ブランソース」が運ばれて来た。

大阪・梅田「リストランテ ル・ミディひらまつ(Ristorante le MIDI Hiramatsu)」竹内亮料理長のプレートだ。竹内シェフは2011年ひらまつ入社。「代官山ASO チェレステ 二子玉川店」、「リストランテ ル・ミディひらまつ」副料理長を経て、2022年からル・ミディの料理長に就任している。
白い平皿大部分にポルチーニのパウダーで模様を描いている。プレートごとに十数種類も絵柄を用意したということだ。関西で人気のアコウ(キジハタ)は炭火焼きにし、ふっくらと仕上げてその上質の身を生かした。その周りには水茄子、ポルチーニのソテー、そして海老味噌で甲殻類のニュアンスも加えて味わいに立体感を醸し出す。

ブールブランソースにはほんの少し梅肉を加え、大葉のオイルも垂らして味わいを現代的に引き締めている。そうそう、前菜から合わせてきたシャンパン「アンリオ キュヴェ・エメラ 2006(Henriot Cuvee Hemera )」について。
1808年創設の家族経営のアンリオ。上質な味わいは我が家も以前から好きなメゾンの一つ。そのプレステージ「キュヴェ・アンシャンテルール(Henriot Cuvée des Enchanteleurs Brut)」に代わるプレステージシャンパンとして「2005年」ヴィンテージから発売されているのが「キュヴェ・エメラ」だ。

小さな泡は溶け込んでる。グレープフルーツ、チャーミングな香りは控えめで大人しい。アタックは白ぶどう、マスカットの甘さが漂う。綺麗なミネラルが酸と共にエレガントに広がる。余韻には僅かに熟した蜂蜜のニュアンスが残る。
前の「アンシャンテルール」の熟成感・複雑さからすると明らかにフレッシュかつ軽やかになった。我が家は「アンシャンテルール」の方が好みだが、時代に合わせて中庸さを狙ったものだろう。さて、次は高階シェフの肉料理だ。つづく

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