博多祇園山笠「飾り山」散策 Hakata Gion Yamakasa

7月前半に福岡市博多区に行くと街がお祭りの雰囲気で得した気分になる。760余年の伝統を誇る「博多祇園山笠」は、博多の総鎮守・櫛田神社にまつられる素戔嗚尊に対して奉納される神事。国の重要無形民俗文化財にもなっている。毎年7月1日から開幕し計14の飾り山が各所に公開されるので、絢爛豪華な飾り山を見物がてらあちこち散策するのがいいだろう。

博多祇園山笠 櫛田神社

そこで今年注目の飾り山を見てきた。「飾り山」とは舁くための背の低い「舁き山」に対し、据えて見物するための背の高い山の事だ。中でも面白いのは土居流内の上川端通にある八番飾り山。いわゆる「走る飾り山笠」だ。
「追い山ならし」と「追い山」で最後に櫛田入りを行い、他の舁き山とは違った10m近い豪華な飾り山が観客を喜ばせる演出となる。上部が伸縮するようになっていたりスモークを吐いたりするなど通称「からくり山」とも呼ばれる。

上川端通 八番山笠 歌舞伎十八番押戻

そして追い山後も上川端商店街内に約1年間再展示される。今年は表に「慶 歌舞伎十八番押戻」、見送りに「外郎売」と言う歌舞伎演目だ。ちなみ櫛田神社内にあった番外飾り山は「歌舞伎十八番暫」。今年は成田屋物が多い。
その他にも博多リバレインとホテルオークラの間に十七番飾り山があるが、隣接する博多座の向かいにあるのが老舗和菓子屋「鈴懸」本店。ここでは博多祇園山笠期間限定「祇園饅頭」も販売されている。無病息災を祈願して櫛田神社奉納される行事饅頭なのだ。さっぱり食べやすいし正に博多土産にお勧め。

上川端通 八番山笠 外郎売

かつては町ごとに飾り山の華美を競いながら練り歩いていたらしい。ところが、江戸時代に土居流が東長寺で休憩中、石堂流(現・恵比須流)に追い越される事件があって、速さを競い合う「追い山」が始まったとの事。
7月1日から既に色々な神事が行われているが、明日12日はリハーサル となる「追い山ならし」があり、続く13日は明治通り呉服町交差点から天神をめぐる「集団山見せ」もある。そしてメインが15日午前4時59分大太鼓の合図とともにスタートするフィナーレの「追い山」だ。一番山笠は「櫛田入り」の際、山笠を止めて「博多祝い唄」を歌うのも見せ場だろう。

鈴懸 祇園饅頭

今年の追い山は土曜日という事もあり「桟敷席券」300枚は30分で売り切れたそう。山笠は順に境内を出て約5kmの「追い山笠コース」を須崎町のゴールを目指して全力で舁く。そして「櫛田入り」「コース」ともに所要時間を計測する。櫛田神社の能舞台では午前6時から荒ぶる神様に捧げる鎮めの能が演じられる。
同時に14日から福岡市では「世界水泳選手権2023福岡大会」も開幕する。会場の一つマリメッセ福岡の特設エリア「Fukuoka Ichiba」には特製の舁き山笠が展示されるとの事だ。天気もようやく大丈夫と言う事なので、今週末はさぞ福岡は盛り上がる事だろう。

鈴懸 祇園饅頭

Hakata Gion Yamakasa is a Japanese festival celebrated from the 1st until the 15th of July in Hakata, Fukuoka