京都市が規制から誘致へ方針転換した事から、コロナ禍中でも高級ホテルの開業ラッシュとなった。禁止だった京都市の住居専用地域に「超高級ホテル」を限定特例とし開業許可し、「伝統的かつ超近代的な京都発の伝統産業製品や素材を採用すること」を条件としたのだ。
京都へ進出した外資系高級ホテルと言えば「ザ・リッツ・カールトン京都（THE RITZ-CARLTON KYOTO）」「翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都（Suiran A Luxury Collection Hotel Kyoto）」「パークハイアット京都（Park Hyatt Kyoto）」「アマン京都（Aman Kyoto）」。

そして近年「ザ・ひらまつ 京都（THE HIRAMATSU KYOTO）」「HOTEL THE MITSUI KYOTO」「ROKU Kyoto LXR」「フォションホテル京都（Fauchon Hotel Kyoto）」。2024年末には「シャングリ・ラ京都二条城」、2026年には「帝国ホテル」なども登場する。
17世界文化遺産と2000の寺社仏閣がある歴史深い京都市。コロナ開けは当然ながら外国人観光客で溢れかえっている。ホテルの値段も高騰しとんでもない金額に。行列待ちでタクシーに乗るのさえ一苦労だ。色んな意味で日本人がゆっくり散策する風情は難しくなったともいえる。

そんな中の出張、宿泊先に選んだのは東山五条「フォーシーズンズホテル京都（Four Seasons Hotel Kyoto）」。ここも久しぶりだ。近くに清水寺・京都国立博物館・三十三間堂などの観光スポットが建ち並ぶ。地上4階・地下2階、ホテル客室123室とレジデンス57室。
2016年に開業したこのホテル＆レジデンスは、総事業費430億円だったがその後490億円で売却した。レジデンス価格も高騰し現在では10億円前後とも言われている。

外国人でごった返す京都駅から車で「フォーシーズンズホテル京都」に向かう。見えてきたのはホテル玄関口へと続くアプローチの長い竹林。ここまでくるとほっとする。千本以上の竹を使用したと言う100ｍに及ぶ竹垣には化粧縄が巻かれている。青竹の美しさが際立つ日本らしい風情の中、茶色を基調としたシックな造りの建物が見えてきた。
ロビーに入ると温かみあるベージュ色の大理石が広がる。コロナ中は撤去されていたウェイテイングスペースも復活していた。内装は日本伝統の雅な演出する清水焼や西陣織、障子・北山杉・樫木・畳・漆など日本の美学が満載だ。

吹き抜け「レストラン ブラッスリー」は、竹をイメージしたデザインが印象的で開放的な空間。９ｍ高の窓向こうのに望むのは約800年の歴史を誇る名庭「積翠園」だ。元は隣接する「妙法院」の境内だった。平清盛嫡男・平重盛の別邸「小松殿」の庭だったと言われているが、現在の形が作られたのは豊臣秀吉により復興された後の江戸時代元禄と言う。
そんな庭の奥には茶室ラウンジ「楓樹」もある。昼はアフタヌーンティーや抹茶・和菓子、今ならかき氷なども頂ける。夜はシャンパンや日本酒などが楽しめるバーになる。

他にも江戸前寿司「鮨 和魂」は、美しく輝く「職人手造りの錫タイル」壁に、８ｍの国産檜無垢一枚板のカウンターが伸びる。
では部屋に入ろう。妻と二人の時はスイートだが今回は一人なので狭い部屋（53 ㎡）にした。樫木を多用した温かみある和のデザインながらモダンな部屋だ。窓からは積翠園も見える。ソファには京都特産の西陣織のクッションが並ぶ。バスアメニティはイタリア・フィレンツェのフレグランスブランド「LORENZO VILLORES」。基礎化粧品に「MIKIMOTムーンパール」だ。

ホテルロビーでは、また3月から毎週水・土曜日の17時半より、舞妓さんによる舞が披露されるようになった。舞のあと舞妓さんがレストラン・ラウンジに挨拶に回り、一緒に写真撮影も出来るので外国人観光客には特に人気だ。と言う訳であっと言う間の「フォーシーズンズホテル京都」ジャパニーズ・モダンステイを堪能した。

FOUR SEASONS HOTEL KYOTO

445-3, MYOHOIN MAEKAWA-CHO,
HIGASHIYAMA-KU, KYOTO 605-0932,
JAPAN