ルイ・ヴィトン 2023秋冬コレクショントランクショー at GLION MUSEUM

今年3月6日のパリ・オルセー美術館、アーチ型のサロンにて「ルイ・ヴィトン2023-24年ウィメンズ 秋冬コレクション(Louis Vuitton Women’s Fall-Winter 2023 Collection)」が発表された。「2023年春夏コレクション」同様に、アーティスティック・ディレクター ニコラ・ジェスキエール(NicolasGhesquiere)の友人である仏アーティスト フィリップ・パレーノ(Philippe Parreno)が、プロダクションデザイナーのジェームズ・チンランド(James Chinlund)と共に、光と音が特徴的なショーの演出をした。

ルイ・ヴィトン 2023秋冬コレクショントランクショー at GLION MUSEUM

さて、今回私達夫婦が招待されて出向いたのは、大阪市の海岸通りにある敷地面積3000坪の「ジーライオンミュージアム(GLION MUSEUM)」。100年近い歴史を持つ築港赤レンガ倉庫で、通常は国内外の貴重なクラシックカー(ロールスロイスファントムⅡなど)を集めた博物館として使われている。
真夏らしい暑さのこの日、ここで「ルイ・ヴィトン2023年ウィメンズ 秋冬コレクション」のトランクショーが行われる。久しぶりの大阪での開催(計3日間)、全国から招待された顧客達が集まり、ショーの後はその新作の受注会となるわけだ。2週間前はこの場所で「2023-24年メンズ 秋冬コレクション」イベントも行われた。

ルイ・ヴィトン 2023秋冬コレクショントランクショー at GLION MUSEUM

会場に到着すると馴染みの担当さんが出迎えてくれる。古き良きアメリカ風情なカフェスペースを過ぎ、古き良き赤レンガ建造物の中を進んでいくと、今回の為に作られた白い特設会場が見えてきた。「LOUIS VUITTON」がキラリと浮かぶとテンションがあがるものだ(笑)
暗く照明を落とした建物内の真ん中にはパリの石畳の道を再現したランウェイ、両脇にベンチが延びている。オルセー美術館サロンに作られたパリコレ会場をちゃんと模している(さすがにシャンデリアなどは無理だが)。

ルイ・ヴィトン トランクショー ドリンク

指定の席に座るとLVメンズ達がドリンクを運んでくる。担当さんと歓談しながら頂くのは「モエ・エ・シャンドン ブリュット・アンペリアル(Moet et Chandon Brut Imperial)」ピッコロサイズ。ラッパ飲みしやすいグッズが先端に付いていて便利で可愛い。予め予約商品のデータなどを教えてもらう。
そんな中、いよいよ観客も揃ってトランクショーがスタートする。パリの石畳の道を再現したランウェイに、ヒールの足音や車、雷雨や犬の鳴き声、飛行機の離陸音などが響いてドラマティックな演出はパリコレそのままだ。今回のコンセプトは「フレンチ・スタイルとは何か?」という問い。

ルイ・ヴィトン 2023秋冬コレクション ショー

伝統と文化を継承しながらも時代と共に変化をしていくファッションブランド。その中で問う「フレンチ・スタイル」とは「洗練さと無頓着さが融合し、常に好奇心をそそる大胆な美学を生み出すもの」という事。今回のコレクションはルイ・ヴィトンのモダンなフレンチ・スタイルの再解釈だ。
匠の技による騙し絵風や、立体的だったり誇張されてるフォルム。丸く独特な大きな襟、すそ広がりが固定したようなドレス、わざと身体に添ってない袖やドレス。長い細ベルトや長いストールに大きなブローチも特徴的だ。

ルイ・ヴィトン 2023秋冬コレクション ショー

楽器モチーフのカーディガンはトリコロールカラーで、今回は色味や柄物はこれくらいか、デザインは凝っているが全体的に見た目はシックな印象だ。
フランスらしいクラシカルさと、個性的で意表突くデザインがフランスらしい。なるほどこの混ざり具合や不可解さが「フレンチ・スタイル」だろう。トランクショーなので本物よりルック数も少ないし距離も短いので、あっと言う間にファッションショーは終わってしまうが、その後すぐに現物を拝見しつつ選べるのは楽しいものである。続く