この夜はザ・リッツ・カールトン大阪のメインダイニング「フランス料理 ラ・ベ(La Baie)」へ。フランス語の「湾」という店名だけあって魚介を得意とする。ミシュラン大阪でも長年1つ星だ。さぁ前回に続き、クリストフ・ジベール(Christophe Gibert)料理長の、伝統的でありながら美しくモダンな料理を味わっていこう。
「冷製蒸し岩牡蛎」「オマールブルーの炭火焼き」と来て、次は「ヨーロッパ産舌平目のムニエル キャビアと白ワインソース 野菜のエチュベ アニスソヴァージュ風味」だ。

ボトルで「エグリ・ウーリエ ブラン・ド・ノワール グラン・クリュ 2021(Egly Ouriet Blanc de Noirs Grand Cru)」を飲んでいたのだが、料理に合わせグラスの白ワインを頂く事にする。充実したグラスワインのリストから選んだのは「ルイ・ジャド コルトン・シャルルマーニュ 2018(Corton-Charlemagne Grand Cru Domaine des Heritiers Louis Jadot)」。
ブルゴーニュでも有数のネゴシアンであり、ブドウ畑240へクタールを所有する大ドメーヌでもある1859年創立の「ルイ・ジャド」。中でも グラン・クリュの「コルトン・シャルルマーニュ」は1914年から所有する最も古い畑の一つであり、定評がある。

黄金色がグラスに映える。控えめながら白い花の蜜、ナッツ。厚みはさほどではないが、アタックから心地よい苦みを伴ったミネラル感が美しい酸とともに広がる。落ち着きのある旨味が余韻に残る。
料理は「舌平目のムニエル」というフレンチの古典を見事に現代風に昇華させた一品だ。ヨーロッパ産舌平目のプリっと歯ごたえある身質が、キャビアで美しく彩られた白ワインソースと調和している。海藻を練りこんだボルディエバターも素晴らしい。最初に「キャビア(ベルーガ) コンディメントとブリニストーストを添えて」を頂いていたので、ソースに沈むキャビアがかぶったかなと思ったが全く違った。クラシックながら切れの良い現代的な味わいに仕上がっていた。

メイン料理が運ばれる前にセットされたナイフは「9.47」。アラン・デュカスをはじめ世界の有名シェフたちが使っているフランスのナイフブランド「ペルスヴァル(Perceval)」のもの。優雅なデザインと優れた切れ味が特徴で、スウェーデン鋼で作られたフラッグシップモデルがこの「9.47」だ。
「鴨胸肉骨付きエピスロースト ビガラードソース 根セロリと茸」が登場する。こちらも鴨肉とオレンジ風味のビガラードソースというクラシックをモダンに構成した一皿だ。ジューシーな鴨胸肉を引き立てるのは、テーブルでたっぷりとすり下ろされた黒トリュフの風味(追加料金でOKと言うまで削って貰える)。これも根セロリ・茸といった付け合わせで、味わいに変化を加えながら最後まで楽しめた。

肉料理にも合わせて、グラスワインのリストの中から「パオロ・スカヴィーノ バローロ モンヴィリエーロ 2018(PAOLO SCAVINO BAROLO MONVIGLIERO)」をチョイス。バローロの名門、パオロ・スカヴィーノはカスティリオーネ・ファッレット村に1921年設立。
バローロの単一畑。ヴェルデューノ村モンヴィリエーロ畑のネッビオーロのみを使用。樽の香りが過剰につかないようバリックと大樽を併用している。穏やかな樽香が赤い果実の旨味を上品に閉じ込めている。上品な仕上げの鴨肉と寄り添うシンプルながらエレガントな飲み口であった。

ちなみに「ラ・ベ」はグラスワインのラインナップも自慢だが、秘訣はこれ「コラヴァン(CORAVIN)」。細い特殊針をワインのコルクに突き刺し、不活性ガスをボトルに注入しながら、コルクを抜かずに中身だけを注げるオープナーだ。ワインが酸素に触れることなく、数か月間いつでも開けたての状態で頂けるというもの。
最後はデザート。久しぶりにあの「クレープフランベ」のパフォーマンスを拝見するとしよう。つづく・・

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