観光客でごった返す師走の京都、京都駅ビル各所のイルミネーションも賑やかだ。今月の「大階段グラフィカルイルミネーション Plus」は、ディズニー100周年記念作品映画「ウィッシュ」をイメージした特別仕様。大階段に映し出されるイルミネーションは夕方からの点灯(笑)、ツリーは6日から登場した。
そんな原広司氏設計のガラス張り名建築・京都駅コンコースを見渡せば、空中径路や東広場などにもきらめくイルミネーションが綺麗だ。クリスマスらしい音色も聞こえる。

JR京都駅 2023クリスマス

そして夜、見上げれば安定の京都タワー。この夜は艶やかなピンク&オレンジ、これは「NAKEDヨルモウデ 2023 平安神宮 × 京都タワー展望室」企画のものだ。クリスマスの日まで平安神宮が特別公開ライトアップされているのをご存じだろうか。
重要文化財の應天門や大極殿、平安神宮神苑の東神苑が、プロジェクションマッピングや提灯ライトアップなどで彩られているそうだ。さぞ幽玄であろう。師走のバタバタ出張中、いつものお土産だけを京都駅で購入する。

NAKEDヨルモウデ 2023 平安神宮 × 京都タワー展望室

1893年創業した京都の最高峰和菓子屋「末富」だ。茶の湯の世界とともに歴史を紡いできた京菓子、こちらは裏千家御用達。ブルーの華やかな包装紙がブランドイメージとなり、かつては和菓子界のエルメスとも称されていた。毎回下京区松原通の本店を訪れ上生菓子を買ったものだ。
と言うわけで年末年始は定番物に「年賀用干支」入りの商品が登場する。2024年干支「辰」や「福」の文字、辰の絵柄などの焼き印が捺された縁起良い新春菓子だ。小さな麩焼きを5色の風船に見立てた「年賀用干支京ふうせん 辰」。そして、絵馬と開運吉兆のおみくじ付きの「冨久袋 甲辰」が進物にお勧め。

京菓子司 末富

そんな創業130年の老舗京菓子司「末富」が、伝統と現的を融合させ昨年立ち上げた新ブランドが「SUETOMI AoQ(青久)」である。夏にも紹介した。本店にほど近い烏丸通と松原通の交差点に、テイクアウト専門カフェ「SUETOMI AoQ Cafe Stand」もオープンしている。
この日はJR京都伊勢丹店に立ち寄った。まずは「末富」のクリスマス限定商品。なんと毎年恒例の干菓子(白粉雪)と金平糖の「クリスマスツリー」が売り切れていた・・残念。でもお目当ての「SUETOMI AoQ」クリスマス限定商品はあった、赤いパッケージの「チョコやさいせんべい(メリーチョコレートコラボ)」だ。

SUETOMI AoQ チョコやさいせんべい メリーチョコレート

末富定番「野菜煎餅(れんこん/ごぼう/木の芽)」に「メリーチョコレート」のチョコレートをかけたクリスマス限定もの。素朴な卵煎餅に濃厚なチョコレートは和菓子っぽくはない。野菜の風味もちゃんと感じる。パッケージが目を惹くし気軽なプレゼントに良いだろう。
他にも「AoQ」クリスマス限定には「クリスマス シュトーレン」があった。そして今回も「あんフィナンシェ」を選ぶ。北海道産バターを使い甘み調整した大きなフィナンシェに、こだわりの餡をたっぷり乗せて頂く。小豆を一晩水につけ何度も水を替えて洗い、たっぷりの水でじっくりと時間をかけて焚き上げる末富の餡。

SUETOMI AoQ あんフィナンシェ

フィナンシェから染み出すバターと「味噌あん」の甘じょっぱさの融合が何とも美味しいのである。そしてやっぱり外せないのは本家「末富」の季節定番「みそ合わせ」。淡紅色と白の軽い米粉煎餅に白味噌餡を挟んだもの。
季節によって紅葉や干支など焼き印も変わる。しっかりした箱に入り、3セットずつ和紙に包まれた目出度く上品なお菓子で、初釜などにも出される名品だ。
そしてまたもや、末富扇の焼印「京の華扇」と、「 Le Petit Suetomi」の焼印「ちいさなモナカ(こし餡・粒餡)」もついでに購入する。

末富 みそ合わせ

今年は暖冬でまだ紅葉が楽しめる師走の京都、インバウンドに沸いている。本当はあちらこちらの菓子司を巡って上生菓子も頂きたいところだが、とにかく人が溢れて移動もままならない。また年が明けて休暇で訪れる時まで我慢することにしよう。