先週香港で行われたファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)によるセカンドコレクション「ルイ・ヴィトン 2024 プレフォール(Louis Vuitton Men’s Pre-Fall 2024 Show)」を紹介した時に予告していた件。6月にパリで行われたファレルによる「ルイ・ヴィトン 2024年春夏(Louis Vuitton Men’s Spring-Summer 2024 Fashion Show)」の、顧客先行受注会に招待されたので行ってきた。
ファレルと言えばスターミュージシャン兼天才プロデューサー、そしてストリートウェアの先駆者だ。ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)亡き後、新メンズ・クリエイティブ・ディレクターとなったファレルのファーストコレクションなので、今回の販売は世界的にも大注目。記念すべき作品を手にしたいファッションフリークが我先にと手を挙げた。

ショー後半月ほどに担当さんから、100万ドルのクロコバッグがオーダーできると言う事を聞く(笑) 金具もホワイトゴールドチェーンやダイアモンドを使用していると言う話だった。 その後NBAのPJ・タッカーがInstagramにあげた事で、それが「ミリオネア・スピーディ(Millionaire Speedy)」だったと知る。なるほど「MTO Only/Internal Only」特別VIPオーダーだ。
LV定番ボストンバッグ「スピーディ」は昔から我が家も多く使っている。安定した形に沢山物が入るので、様々なサイズで愛用している。ファレルはそんな定番「スピーディ」をカラフルなモノグラム柄にして(全4色)、通常のキャンバス素材ではなくレザー仕様にした。今回のファレルファーストコレクションを象徴すべき代表作「スピーディ P9 バンドリエール」となっている。

発表された「2024春夏」キャンペーンビジュアルは、NBAのレブロン・ジェームズ(LeBron James)を起用し、ファレルの新「スピーディ」グリーンと、ダミエとカモフラージュが融合した「ダモフラージュ」を纏っている。加えて先日の香港で行われた「2024プレフォール」ショーではゲストの平野紫耀やTNTが、新「スピーディ」を持っていた事から、普段ルイ・ヴィトンに興味がない層までもSNSで話題にし騒ぎになっていた。
と言う訳でこの日向かったのは渋谷の宮下パーク。LV世界初となるメンズ フラッグシップストアである「ルイ・ヴィトン 渋谷メンズ店」だ。ショップ前の交差点で車を降りると担当さんが走って出迎えてくれる。少し早めの時間に到着してしまったので、1階一般フロアで故ヴァージル・アブローによる新作メンズ・コレクション(2023秋冬)を眺めるとしよう。店内にはクリスマスディスプレイが華やかだ。

ヴァージル最後となるコレクションなのでストリート感が強い。スニーカーやダウンジャケットも豊富だ。とそこへ2階の特別会場に行けると言う事で案内される。完全に招待客のみで外からしか入れない厳戒態勢の受注会場だ。しかも今回は冷やかし見学写真お断り、一定以上の購入条件も暗黙だ。と言う事でドキドキ受注会スタート。
案の定カラフルな新「スピーディ」は売れまくり、特定のカラーやサイズは品薄で取り合い状態だ。もちろん早速目的のカラー・目的のサイズでその貴重な目玉バッグをゲットする。サンプルの服は数多くないので、担当さんらがオンラインカタログとにらめっこしながら商品をピックアップしていく。羽織ってみてあーだこーだというのも楽しい時間である。

もちろんファレル象徴の「ダモフラージュ」物もゲットする。とりあえずメインの目的を達成出来てほっと胸を撫でおろす。後はゆっくりあれやこれや手に取り選んでいく。目を惹くのはカラフルなダミエのバッグやシューズ、小物類。ヴァージルのストリートの流れを汲みつつ、ファレルらしいポップな感じが良く出ていた。今の日本にどれだけ買い付けができるか難しいが、来期のファレルにも期待したい。
しっかりファレルのファーストコレクションを満喫し、担当さん達と話しながら外まで送ってもらう。渋谷の賑わう交差点で車に手を振ってくれるのはちょっと笑ってしまう。
世界的大ヒット曲「Happy」など生み出し、プロデューサーとしても手腕を発揮するファレル。映画「怪盗グル―のミニオン大脱走」「ドリーム」、そしてPusha TやRosaliaなどとも組んでこちらも多忙だ。中でも21 SavageとTyler、The Creatorと組んだ「Cash In Cash Out」は、MVが高く評価された。デザインと広告のアワード「D&AD2023」最高賞ブラックペンシルを受賞したのだ。
2020年コロナ禍中に得た構想との事。フランソワ・ロスレー(François Rousselet)監督曰く「クレイアニメーションのような質感・表現だが全てCGで制作した映像」。コマ撮りアニメなのかCGなのか・・混乱させることを狙ったというのだからさすがファレルだ。一度見てみると技術と芸術性の高さに驚くことだろう。

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