イルミネーションも美しい夜、向かったのは銀座並木通りにあるフレンチ「レストラン エスキス(Restaurant ESqUISSE)」。ハイブランドが所狭しと連なる中、ロイヤルクリスタル銀座ビルの9階へ到着、エレベーター扉が開くと今宵も若林英司総支配人兼シェフ・ソムリエが笑顔で出迎えくれる。
若林ソムリエと言えばNHK「あてなよる」で皆さんもご存じだろう。京都の料理家・大原千鶴氏の料理と、彼の提案するワインで芸能人ゲストをもてなす人気番組だ(コロナ禍前まで放送)。先月はNHK出版よりそのレシピ本も発売された。彼個人でも「スーパーソムリエの道 サービスとマリアージュの極意」を上梓するなど活躍中だ。

日本のトップソムリエである彼が、恵比寿「タイユバン・ロブション(現ジョエル・ロブション)」にいた頃から知っているので、もう随分と長い付き合いになる。エントランス奥、ダイニングが窓に沿って横に広がる。今や当たり前の風景になった北欧風インテリアだが、日本のレストランでの走りが「エスキス」と言えるだろう。
寄木張りフローリング、天井の梁、漆喰の壁・・何度かのリニューアルを経て今は、グレーとシルバー基調のシックでエレガントな空間となっている。我が家好みのクールさが心地よい。見渡せば海外ゲストに囲まれ様々な外国語が飛び交っている。安定のミシュランガイド東京2つ星と言う事もあり、各高級ホテルからの紹介も多いという。

さて今宵もリオネル・ベカ(Lionel Beccat)エグゼクティブシェフの世界観を堪能していくことにしよう。彼はフランス・コルシカ島生まれ、南仏マルセイユ育ち。彼の事も新宿にあった「キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ」時代から知っており、信頼の腕前は今宵も楽しみだ。
まずはシャンパーニュで乾杯だ。ここ「エスキス」ではコースにグラス・シャンパーニュが付いているので、迷わずさっと喉を潤すことができて嬉しい。若林ソムリエの工夫で開店当初から変わらない。

この日は「ルイナール ブラン・ド・ブラン ブリュット(Ruinart Blanc de Blancs Brut)」が供せられる。世界初のシャンパーニュ・メゾンとして1729年に創業したルイナール。しかも珍しいマグナグボトルから美しく輝くゴールドが注がれる。香ばしくも爽やかな果実の甘みが美しい酸とミネラルと調和する。マグナムらしいフレッシュながらも落ち着いたエレガンスは「エスキス」にぴったりである。
一緒に提供されるのは「伝統(パン/トマト/白トリュフ)」。ブリオッシュを軽く炙ってトマトペースト・アンチョビともにアルバの白トリュフを乗せた。酸味が甘味と広がる。シャンパンにぴったりのスタートだ。

続く「ヴェルベット(パースニップ/豆乳/トリュフ)」は、自家製豆腐と黒トリュフを合わせるという斬新な一皿。白のプレート中央に美しい丸フォルムの白が浮かび上がる。リオネルシェフが前から好きだという組み合わせを、バージョンアップさせているものとの事。
薄い豆腐にナイフを入れると、中から黒トリュフとパースニップのピュレが流れ出てくる。余韻に黒と白の風味が絡む。シャンパンにはもちろん、赤ワインにも十分寄り添ってくれそうだ。ここで、以前は「ベージュ アラン・デュカス 東京」にいたリオネル・ラヴェルヌ支配人が、大きな自家製カンパーニュを運んで来る。

次に登場したのは華やかなプレート「静寂(烏賊/蕪/ミカン)」。テーブルに柑橘の香りが立ち上がる。さっと茹でたアオリイカは、烏賊の出汁に酒粕を合わせて、更にバン・ジョーヌで仕上げたソースが注がれて完成する。蕪は野菜のブイヨンで炊いて少し醗酵もさせたという。
更に自家製カラスミ、浅葱やエシャロットの入ったフロマージュブランも添えた。風味豊かな柔らかいプレートであるが、カラスミが絶妙なアクセントだ。ミカンを持ってくるのが実にリオネルシェフらしい。微かな酸味が全体を柔らかく引き締めてくれた。

赤ワインはいつものように、若林ソムリエに相談しながらチョイスしていこう。こちら「エスキス」にはワイン価格が高騰する前のワインが多く残っている。今となってはなかなか手に入らない貴重な物ばかりだ。外国人ゲストは良く知っており、著名な造り手のボトルを「安い、安い」と驚きながら開けていくらしい。
そんな中、今宵は「シャトー・シュヴァル・ブラン 2001(Chateau Cheval Blanc)」を開ける事にした。過去に飲んだメモによると「1969年」「1983年」「1997年」「2004年」「2009年」を開けている。2001年と言うとなかなかの飲み頃を予感させる。後半に続く・・・
Restaurant ESqUISSE
Royal Crystal Ginza Bldg. 5-4-6 Ginza Chuo Tokyo JAPAN
〒104-0061
TEL: 03-5537-5580
TEL: +81-(0)50-5369-5052(English only)

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