JR東京駅前「東京ミッドタウン八重洲」に、世界8番目のブルガリ ホテルズ&リゾーツとして「ブルガリ ホテル 東京(The Bulgari Hotel Tokyo)」が登場したのは1年前(その後ローマに9番目が開業した)。イタリアのトップジュエラー「Bulgari」がプロデュースし、最高層40階から45階フロアに展開する。ホテルからは皇居や東京の街並みを一望できる素晴らしい立地だ。
騒がしい八重洲ミッドタウンを抜けてホテルの入り口へ・・見落としそうな小さな扉に驚く。中へ入れば何とも静まりかえる別世界。奥まで長く伸びる通路、黒い石壁には「ブルガリ」の歴史を表すジュエリーのデザイン画が、ズラッとディスプレイされている。エントランスロビーに入ると、照明を落とした中に大きく豪華なグリーンの大理石(ヴェルデアルピか)と白いソファが浮かぶ。デスク背後には金屏風が輝きシックでモダンな空間が広がる。

広い車寄席が見え、ホテルのシンボルになっている「マウント・フジ ブローチ」などが飾ってある。モードな黒スーツのスタッフに案内されエレベーターに乗り込む。メインロビーがある40階に到着すると、長く伸びる通路壁にはブルガリモチーフ(扇型)のイタリア「Bisazza」モザイク、その向かいにはローマ本店前で撮影された60・70年代の顧客スター達の写真もディスプレイされている。
両開き扉には日本伝統文様「孔雀紋」がデザインされ、日本的な丸取手になっている。進むと黒石の床にはエイトポイントスターが白く輝く。左手に見えてきたのはチョコレートブティックの「ブルガリ ドルチ(Bulgari Dolci)」。「ブルガリ イル・チョコラート」のチョコレート・ジェムズや、「ラ・パスティッチェリア ニコ・ロミート」のペストリーが販売されている。ちなみに「ジェムズ」はホテルオリジナルのフレーバーもある。

そのまま進んで行くと正面に広がる「ブルガリ ラウンジ(The Bulgari Lounge)」。ブルガリのテーマカラー「サフランカラー」をベースにした明るく開放的な空間が広がっていた。ローマの宮殿(ルネサンス期)をイメージしたと言う格天井、巨匠ジオ・ポンティ(Gio Ponti)風のニレ材壁も印象的だ。黒花崗岩の暖炉にアームチェア、ソファーやテーブルほか家具や照明はイタリア「FLOS」「Maxalto」「Flexform」「B&B Italia」などから輸入した。
サフランカラーをブラックやゴールドで引き締めた洗練の中で、パスティッチェリアやアフタヌーンティーも楽しめる。ブルガリ顧客セレブの写真はここにも飾ってあった。ラウンジ奥につながるのは、シグネチャー・ダイニング「イル・リストランテ ニコ・ロミート(Il Ristorante Niko Romito)」。ミシュラン3つ星であり、イタリア・アブルッツォ「レアーレ(Reale)」のオーナーシェフ、ニコ・ロミート(Niko Romito)が監修する。

同40階には、「ブルガリ ドルチ」の向かいに鮨店「Sushi Hōseki – Kenji Gyoten」もある。ミシュラン3つ星の福岡「鮨 行天」行天健二が監修する話題の鮨だ。その他宴会場や、フィットネスとプールを含む1000平米の「ブルガリ スパ」も同階にある。人気の「ブルガリ バー(The Bulgari Bar)」は最上45階。テラスエリアのガーデンにはレモンの木もあるから驚きだ。
インテリアデザインは、これまで全てのブルガリ ホテルを担当してきたイタリア「ACPV アーキテクツ アントニオ・チッテリオ/パトリシア・ヴィール(ACPV ARCHITECTS Antonio Citterio Patricia Viel)」が手掛ける。客室はスイートを含む98。イタリアらしいスタイリッシュなデザインに「西陣織(細尾)」や日本伝統文様「網代組み」なども取り込んでいる。ブルガリと言えば「宝飾品」「時計」「フレグランス」「アクセサリー」、そして今回の「ホテル」。日本でも30年以上、ハイジュエリーブランドとして築いてきた集大成と言える世界感が満載だ。廊下の壁にはブルガリのジュエリーも展示してさすがに豪華である。

と言う訳で次回紹介するのは、ラウンジの奥に広がるメインダイニング「イル・リストランテ ニコ・ロミート」だ(屋内62席/屋外34席)。ブルガリ銀座タワー「ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン(BVLGARI Il Ristorante LUCA FANTIN)」よりカジュアルダイニングとの位置付けと聞いていたが、いやはや全然こちらのホテル「イル・リストランテ ニコ・ロミート」の方が、リラックスな雰囲気をしていながらも全てが豪華である。
シェフを務めるのはミラノ出身マウロ・アロイシオ(Mauro Aloisio)だ。スイスは「バドラッツ パレス ホテル」「フォーシーズンズ ホテル」、ミラノでは「ブルガリ ホテル」「アルマーニ ノブ」「パーク ハイアット」を経て、「ブルガリ ホテル 上海」からこちらを任された。わずか8ヶ月で「ミシュランガイド東京2024」1つ星を獲得。

サフランオレンジの壁が華やかな中に、神社風の木天井アーチから手吹きムラーノガラス(バロビエ&トーゾ製)の照明が下がっているのが見える。ブラウンのチェアや白いソファなど、イタリアンゴージャスな空間はテンションが上がる。ラウンジ同様に皇居外苑に面する屋外テラスもこれからの時期は心地よいだろう。案内されたのは珍しいカップルシート、ダイニング中央に向かって2人で並んで座る。イタリア伝統料理を大切にしたコンテンポラリーなディナー、そしてイタリアワインを楽しんでいくとしよう。続く・・
BULGARI HOTEL TOKYO
2-2-1 Yaesu, Chuo-ku Tokyo
104-0028 Japan
Tel +81 3 6262 3333

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