東京・大手町「大手町ワン(Otemachi One)」は、オフィスやホールが入るA棟(地上31階建て)と、「フォーシーズンズホテル東京大手町」や商業施設などが入居するB棟(地上40階建て)で構成される。そしてその間にあるのが東京都指定旧跡の「平将門の首塚(将門塚)」。平安時代中期、京都で晒された将門の首が、白光を放ち飛んで来た先がここだ。
工事(2020年開業)に伴い新しくなった木塀や段差、太鼓橋やスロープなど、随分と綺麗で明るくモダンになった。見上げれば高層ビルのガラス張りに囲まれて、和の風情がオシャレにも見える。ホラースポットと言われた「首塚」がすっきり開放的なり、将門も喜んでいるだろう。2022年にはここから皇居につながる約6000mの「Otemachi One Garden」も完成した。

という訳で、大手町駅隣接の「大手町ワンタワー」34から39階に位置する「フォーシーズンズホテル東京大手町(Four Seasons Hotel Tokyo at Otemachi)」にやって来た。日本で3軒目となるフォーシーズンズホテルだ。「東京丸の内」は以前は使っていたし、「京都」は今でも時々泊まっている。海外でも「香港」「パリ」「フィレンツェ」とフォーシーズンズホテルに宿泊しており馴染みがある。そうそう今年は「大阪」堂島にも開業予定だから行ってみようか。
「東京大手町」のアークテクトは、アメリカの大手建築設計事務所「スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル(Skidmore, Owings & Merrill)」。美しい内装デザインは、アマンリゾーツを手掛けてきた建築家ジャン・ミシェル・ギャシー(Jean-Michel Gathy)の「デニストン設計事務所(Denniston International Architects and Planners)」。麻布台ヒルズに開業したばかりの「ジャヌ東京(Janu Tokyo)」、そしてLVMHのモルディブ「シュヴァル ブラン ランデリ(Cheval Blanc Randheli)」も同じデニストンだ。

1階エントランスは思うよりこじんまりとしている。鳥居風の朱色と金箔を使ったエキゾティックなデザインが印象的だ。アクリルピース約740個を吊り下げたインスタレーションなどが煌めく中、陽気なドアマンで知られるジョージ氏に案内されエレベーターで39階メインフロアに向かう。
ドアが開くと目の前に広がる皇居御苑と空、向こうに渋谷のビル群、何とも開放的な眺望が広がっている。遠くには富士山も望む。そして素晴らしいのはフロアに流れ延びる水盤。水面に映る空の景色が、時間と天気で色んな美しさに変化する。39階にはダイニング、レストラン、バー、プール&スパなどがある。ホテル内のどこに向かうにも必ず通るこの水盤はとても重要な景色だ。

水に沿って進むと奥に「THE LOUNGE」があり左側がレセプションとなる。大きなフラワーアレンジメントの上、丸い天井には草書体の「季」文字がデザインされている。館内の要所には、東京出身のフラワーアーティスト・梶谷奈允子(zero two THREE)氏による作品が飾られている。
向かう今回の部屋は「エグゼクティブスイート」。玄関入ってすぐ左のクローゼットルームは収納も多く使いやすい。壁一面と奥もミラーになっていて広く感じる。玄関入って正面にリビングルーム。窓の向こうに広がる空、皇居の森・武道館・高層ビル群・・改めて素晴らしい立地だ。

リビングルームには、心地よい柔らかなテクスチャーのソファセット。壁には写真家・北浦凡子氏の写真(イッセイ・ミヤケのテキスタイルを撮影したものなど)をモチーフにしたアート(委嘱作品)が飾られ、落ち着いたグレージュを基調にした和シックながら明るい空間だ。
テーブルにはウェルカムアメニティの、 冷えたシャンパン「ルイナール ブラン・ド・ブラン(Ruinart Blanc de Blancs)」とチョコレートバー、フルーツ盛り合わせが置かれていた。早速シャンパンを片手にイチゴを美味しく頂く。ミニバーには「茶方薈(SABOE)」、そしてネスプレッソなど。

窓に沿って、障子風引き戸の向こうはベッドルーム。リビングとクローゼットに繋がっており、その奥に窓に沿ってバスルームがある。和風アートな絨毯にベッドボード、柔らかな間接照明が落ち着く。そして「シモンズ」とのコラボの、ホテルオリジナル特注ベッドはフォーシーズンズらしい弾力のフカフカさだ。心地よいワッフル地のパジャマや、草履型デザインのスリッパはクローゼットルームに。
広い皇居ビューのバスルームも、グレージュやブラウンの大理石でシックだ。横長のWシンクも便利。バスアメニティはパリのフレグランスメゾン「ディプティック(Diptyque)」。ハンド ウォッシュやボディローションは、エレガントな香りで実は我が家でも使っている。

窓際の大きな深バスタブに浸かり、広がる景色を眺めつつ身も心もリラックスする。バスタブ横のサイドテーブルには、「ディプティック」の石鹸(ボディソープ/ヘアシャンプー)と、ホテルオリジナルのバスソルト(柚)が置かれてる。対面の曇りガラス扉は、それぞれシャワーブースとトイレだ。
67平米とコンパクトなはずだが、動線が上手く狭さを感じず、インテリアも無駄なくスタイリッシュで、上品な色合いも好みの部屋だった。ちょうど滞在時に地震があったのだがほぼ揺れを感じず、天井スピーカーから安心問題なしのアナウンスも即座に流れて感心したものだ。

さて次回は、39階にあるイタリアンレストラン「ピニェート(PIGNETO)」の話をしよう。ナポリ出身のピザ職人アレッサンドロ・ルカ・デ・レオ(Alessandro DeLeo)氏が、イタリアから取り寄せた粉を使って専用窯で焼いたピザを頂けるのだ。続く・・
Four Seasons Hotel Tokyo at Otemachi
1 CHOME-2-1 ŌTEMACHI, CHIYODA CITY, TOKYO
100-0004, JAPAN
tel +81 3 6810 0600

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