前回に続き、東京・大手町Otemachi One、34から39階にある「フォーシーズンズホテル東京大手町(Four Seasons Hotel Tokyo at Otemachi)」の話。内装は建築家ジャン・ミシェル・ギャシー(Jean-Michel Gathy)の「デニストン設計事務所(Denniston International Architects and Planners)」。グレージュやブラウンを基調にした洗練されたデザインが好みだ。
鳥居風の朱色と吊り下げたアクリルピースが煌めく1階エントランスから、エレベーターで39階メインフロアへ。ドアが開くと目の前に広がる皇居御苑と空、向こうに高層ビル群、そして富士山も・・思わず立ち止まる程の眺望が広がっている。

フロアに延びる和風「水盤」に映る空の景色が、時間と天気で様々な美しさに変化する。エレベーターから降りた時の印象も全く異なっており、これまた素晴らしい。このフロアには4つのダイニング&バー、プール&フィットネスなどの「THE SPA」があり、どこに向かうにもこの水盤の景色を必ず目にすることになる。
水に沿って進むとティーソムリエが常駐する「ザ ラウンジ(THE LOUNGE)」があり、更に進むとイタリアン「ピニェート(PIGNETO)」がある。その他もニューヨーク仕込みのカクテルが頂けるバー「ヴェルテュ(VIRTU)」、ギヨーム・ブラカヴァル(Guillaume Bracaval)シェフのコンテンポラリーフレンチ「エスト(est)」がある。

以前、新宿「ハイアット リージェンシー 東京」に「キュイジーヌ(s)ミッシェル トロワグロ」があった時(~2019年)、ギヨームシェフの料理は何度か頂いている。ちなみにそのトロワグロ時代、ギヨームの前料理長はリオネル・ベカ(銀座ESqUISSE)だった。
と言う訳で、この日は「Abbondanza(豊潤な人生)」をテーマにするイタリアン「ピニェート(PIGNETO)」に行く事にする。ローマ下町の地区名を冠した。そうそうレストランエリアの内装インテリアは、東京の「デザインスタジオ スピン(DESIGN STUDIO SPIN)」が手掛けており、エンターテイメント的な華やかな空間になっている。

大きな窓にはビル群の夜景、天井高7mの開放感あるダイニングの「ピニェート」は、145席もある余裕ある造り。東京タワーも眼下に見える。少し前世代のローマの雰囲気を感じる。すぐ左には壁に埋め込まれたワインセラー。奥に進むと「サルメニア」「パスタ/グリル」「ピザ」「デザート」の4オープンキッチンが並び、明るく浮かぶステージの様だ。スタッフ達がそれぞれ作業をする様子が拝見できる。
まっすぐ延びる通路、案内されたのは一番奥のテーブル席。背後には「ルーフトップテラス」が照明に浮かんで風情ある。4月~10月にオープンする屋外テラスは東京らしい夜景と夜風が心地よく人気だ。

こちらを任されているのは木川欣宏シェフ。ミラノやローマ、シチリアなどイタリア各地の星付きレストランで修行。こちらに来る前は、「パレスホテル東京」の近くにあった「ハインツ・ベック東京店(~2020年)」にもいた。3つ星シェフのハインツ・ベック(HEINZ BECK)本人が来日時には伺ったものだ。
まずは乾杯しよう、お願いしたのは「バローネ・ピッツィーニ フランチャコルタ エクストラ・ブリュット アニマンテ(Barone Pizzini Franciacorta DOCG Extra Brut Animante)」。1870年設立「バローネ・ピッツィーニ」、有機栽培29畑のブレンドで20カ月以上の熟成の「アニマンテ」だ。クリーミーな泡が印象的。

コースメニューも用意されていたが、今宵はアラカルトの気分だ。1品めの前菜に選んだのは「マグロのカルパッチョ」。大皿でドンと提供され、たっぷりの野菜とともにマグロを頬張る。ハーブオイルとバルサミコドレッシングが効いてる。ベーカリーシェフが焼いた自家製パンも一緒に運ばれる。
続く2品目の前菜は「カプレーゼ」。こちらもたっぷり季節のフルーツ(オレンジ)と共に豪快に登場する。カラフル新鮮なミニトマトも沢山入っている。大きなブッラータにザクっとナイフを入れて、そのクリーミーな味わいを取り分けて爽やかに楽しく頂く。

そして外せないピッツァもお願いしよう。ピッツァが生まれた街ナポリ出身のスペシャリティ ピッツァ シェフ、アレッサンドロ・ルカ・デ・レオ(Alessandro DeLeo)が、イタリア産小麦100%の「0番小麦粉」を使って専用窯で焼いたピザを頂けるのだ。
色々と用意されていたが、やはり定番の「マルゲリータ」をチョイスする。ふんわり香ばしい生地はもっちりとした弾力。熱々にトロリととろけたモッツァレラチーズ、旨味溢れるトマトをハフハフとがっつり頂く。新鮮なバジルの香りが立ち上がる。なるほどこれが純度高いイタリア産小麦の美味しさだ。

そして木川シェフと言えば「昔ながらのパスタ」だ。ショーキッチンでの作業が見える。こちらも基本の「ボロネーゼ タリアテッレ」をお願する。ごろっと濃厚ビーフミートソースに、もっちり麺が食べ応えある。美味しくて気が付くと炭水化物食べすぎ??状態に(笑)
ここで赤ワインは、グラスでいくつか合わせて行く事にする。まずは「フロムファーム 塩尻メルロ 2018(Suntory From Farm Shiojiri Merlot)」、赤果実にチェリーの味わい。メルローらしい果実感を素直に表現した飲み口だ。大きくはないがサラッと喉を潤すには良いだろう。

メインは「Tボーンステーキ」と迷ったが「仔羊のロースト」をチョイスする。これまた皿からはみ出さんばかりのボリュームで運ばれて来た。仔羊の風味を活かしながらとても良い塩梅の火入れだ。グリル野菜も香ばしい。食欲をそそるヘーゼルナッツソースを絡め、脂身の部分の甘さと共に肉塊の旨味を豪快に頂く。
こちらに合わせた赤ワインは「バローネ・リカーゾリ ブローリオ キャンティ クラシッコ 2021(Brolio Chianti Classico Brone Ricasoli)」。閉じ気味の香りは軽やかなスミレ、ベリー。細身の体躯に程よいタンニンで口中を流すように楽しんだ。

デザートに「ティラミス」を頂くつもりだったが、満腹でとても食べられる状態ではなく断念。まるでチートデイのようだ(笑) 気が付くと周りに客も増えて賑やかな店内。仕事帰りの集団や、パソコンを開き仕事をしつつ独り食事をする人、家族、デートと様々である。
ホテルならではの豪華な造りではあるが、カジュアルに気軽にイタリアンを楽しめる使いやすいダイニングと言える。また衝動的にピッツァが食べたくなったらここに来よう。
Four Seasons Hotel Tokyo at Otemachi
1 CHOME-2-1 ŌTEMACHI, CHIYODA CITY, TOKYO
100-0004, JAPAN
tel +81 3 6810 0600

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