夏真っ盛り、猛暑のこの日に訪れたのは横浜市西区みなとみらい。車を降りて木々の中をしばらく進むと見えてきたのは荘厳大きな建造物だ。ここは「横浜美術館」、2021年3月から約3年にわたる大規模改修工事を経て、2024年3月15日に「第8回横浜トリエンナーレ(~6月9日)」でリニューアルオープンした。
「横浜美術館」と言えば巨匠建築家・丹下健三(1913-2005年)氏の設計。彼が国内で初めて手掛けた美術館だ。1989年「横浜博覧会」パビリオンのひとつとして使用され、博覧会終了後「横浜美術館」として開館した。

「第8回横浜トリエンナーレ」終了後、工事の間に外部倉庫に保管していた約14000 点のコレクションを館内に戻す作業のために再び休館。その間にこの新しい空間を使って、今回「ルイ・ヴィトン 2024-25年秋冬コレクション ショー(Women’s Fall-Winter 2024 Show)」が行われるとの言うので、とても楽しみに伺った。
整備された700mにわたる「グランモール公園」は緑豊か。横浜美術館前には「美術の広場」があり、広がる水面には噴水やミストによる演出が行われていて子供たちに大人気だ。美術館を見上げれば、シンメトリーに長く伸びるファサード、そこには丸・四角モチーフのフォルス・ウィンドウが見える。165mにも及ぶ長い柱廊(ポルティコ)も趣がある。

正面入り口には大きなLVロゴのオブジェが置かれ、猛暑の中、担当さんらがそれぞれ待機している。大きな扉を入ったすぐに広大なエントランスホール「グランドギャラリー」が広がる。ガラス張り天井、吹き抜けに美しく広がる御影石、大階段、圧倒的な大空間に思わず見渡して見とれてしまう。
設計時に丹下氏が「目的を明確にもたないスペースこそが大切だ」と語っていたと言うまさにその広場だ。最頂部約16m、左右約63m、奥行き約16m(円形部は+11.6m)。

今回のリニューアルにあたり、空間構築設計とサイン計画を建築家・乾 久美子氏が担当した。ガラス張りの天井のルーバーを改修し開閉できるようにし、自然光を取り入れることで空間の見え方を変化させたという。そんな「グランドギャラリー」のほぼ中央には、いろいろなサイズのテーブルと椅子を揃えた「まるまるラウンジ」も出来るそうだ。
その他、「美術の広場」に面した諸施設により構成される「じゆうエリア」を設ける。レベーターを1基増設したことで、ベビーカーや車いすでの館内移動もいっそう快適になる。

来館者と美術品を停電から守るため、非常用自家発電システムの更新も行われた。地上階へ移設される「美術図書室」と「カフェ&ショップ」は2024年11月リニューアルオープン。全館グランドオープンは2025年2月の予定だ。
と言う訳でそんな美しく素晴らしい建造物「横浜美術館・グランドギャラリー」で行われる、ウィメンズ アーティスティック・ディレクター就任10周年を迎えたニコラ・ジェスキエール(Nicholas Ghesquiere)による「ルイ・ヴィトン 2024-25年秋冬コレクション(Women’s Fall-Winter 2024)」のショーと受注会を堪能するとしよう。続く・・

Yokohama Museum of Art
3-4-1, Minato Mirai, Nishi-ku, Yokohama,
〒 220-0012
tel 045-221-0300

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