みなとみらい21地区にある「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜(The Kahala Hotel & Resort Yokohama)」。2020年に開業し、新しい横浜を象徴する人気スポットだ。近くにはリニューアルした「横浜美術館」などもある。
外観は、葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」神奈川沖の構図に見立て、波が寄せては返す「汀」をデザインした。館内は、トライバル模様の天井に床・壁、「ハワイのプルメリア」「横浜市のバラ」を象徴するブラケットライト、豪華なシャンデリアが煌めく。クリスタルカットの黒・白・シャンパンゴールドが基本色で、全体が「クリスタル モダン」のデザインとなっている。

ハワイ・オアフ島の名門ラグジュアリーホテル「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」初の姉妹ホテルでグローバル展開第一弾として誕生したこちら。ブランドコンセプトは「Timeless Luxury」、そして Spirit of Aloha を根幹とするブランドのオリジン「Spirit of KAHALA」。カハラブルーなシンボルマークはOhana(大切な家族) の精神を伝えている。
そんな「ザ カハラ ホテル 横浜」は今月でちょうど開業4周年、限定プロモーション「TSUNAGARU」が9月21・22・23日で開催される。と言う訳でこの夜はは3階にある、水庭に浮かぶような和食レストラン「日本料理 華暦(はなごよみ)」に向かった。広大な水庭に浮かぶ様な個室(全16室)が売りの日本料理店だ。

格子・障子・組子・壁の絵、各部屋が様々な造りになっており、いわゆる「ヌゥー・デコ」で工夫を凝らしたクールジャパンのデザイン。箸置きや絨毯など細かなデザインまで違っている。何と言っても窓の向こうに広がる水の景色。特に角部屋だったので、水面に部屋が浮かぶ様な開放的な空間に妻もご機嫌だ。涼し気で静か、そしてとても心地良い。
まずは乾杯しようとワインリストを所望すると、iPadが提供された。フランスのクラシックなものから第三世界・日本など幅広いラインナップ。目を引くワインも多く、ワイン好きには選びがいのありそうな充実したワインリストになっている。ちなみに日本酒は、ホテル限定の「日本酒プロジェクト」を実施しており、神奈川県内酒蔵13軒とコラボした特別なものが頂けるそうだ。

と言うわけでまずシャンパンは「クリュッグ グランド・キュヴェ(KRUG Grande Cuvee)」を選んだ。夕暮れの水辺に映える輝くような色調の薄いゴールド、微細な泡がこんもりと立ち上る。カリン・グレープフルーツ・ジンジャー・・・爽やかながら存在感のあるアタックから、綺麗な酸味と調和した旨味がきっちりしたミネラル感とともに広がる。
サービス担当さんの青い着物も涼し気だ。そんな中、担当してくれる福士正人副料理長が挨拶に来て、メニューや食材の説明をしてくれる。複数あるコースメニューの中から「頂(いただき)」をチョイスする。

ここ「華暦」の青木信啓料理長は、六本木の「日本料理店 八山」「茶寮あら井」にて修行後、湯河原温泉「ふきや」・横須賀セントラルホテル「日本料理 あら井」・星野リゾート「星のや京都」・東急ホテルセルリアンタワー「金田中草」などで料理長を経て、「華暦」 料理長に就任した。
先附は「ふかひれの唐揚げ 三浦の冬瓜 青梗菜 美味出汁あん」。中華風の華やかな陶器で運ばれる。蓋を取ると香りが立ち上がる。旨みの効いた濃いめの出汁が、軽く揚げたフカヒレの滋味深さを引き立ててくる。食感の残った青梗菜をアクセントに、冬瓜の軽やかな苦味が全体を引き締める。予想よりもワインにも合いそうなしっかりとした味付けのようだ。

前菜は、深皿に氷が敷いてあり鮑とウニが殻に入った状態で運ばれる。それを部屋で取り分け提供される。「あわび 福良煮 オシェトラキャビア」は、下には鮑の肝のソースが敷かれている。醤油と味醂でふっくら仕上げた柔らかい鮑の身。噛み締めると海と磯の風味が柔らかく立ち上る。キャビアと共にアスパラやトマトも添えられて爽やかに頂く。
「三陸ガゼ雲丹 生海苔 山葵」は、たっぷりのウニの周りに、ペースト上の生ウニや長芋のすりおろしも添えて。そしてわさびの風味が一体となる。涼し気なプレートでシャンパンにも良く合った。

続いて鍋「北海道噴火湾毛蟹のしゃぶしゃぶ」だ。福士副料理長が、桶に入った大きな毛蟹を抱えてくる。それを 目の前でてきぱきと捌き、蟹味噌を取って出汁にしてくれる。ポン酢と出汁、カボスも添えられる。目の前で1本ずつ、毛ガニの身をしゃぶしゃぶにしていく。なんとも幸せな美味のひと時だ。方々の個室も埋まっているそうで、華やかな話声が微かに遠くから聞こえてくる。
ここで白ワインをお願いしよう。リストで目を惹いたのは「ルイ・ラトゥール コルトン・シャルルマーニュ 2017(Louis Latour Corton Charlemagne Grand Cru)」のハーフだ。大手ネゴシアン「ルイ・ラトゥール」であるが、きっちりと折り目正しいワインを作り出している。特に「コルトン・シャルルマーニュ」は極めて評判が高く、我が家もレストラン・自宅問わず良く飲んでいる。

ブルゴーニュを訪問した時、美しいコルトンの丘を直に見ることができたのも忘れ難い。最近は見かける機会も減ったワインが、サラッとリストに入っているあたりも嬉しい。煌めくような黄金色。厚みある果実のアタックから存在感のある深みある複雑な甘さが広がる。そして中盤から美しい酸が余韻まで長く残る。
さて、続く造りは3種類、ガラスの器に美しく盛り付けられ提供される。「本まぐろ 山葵 醤油」は、蕩けていくような身質から鮪の酸味と脂が広がってくる。「コチ ぽん酢」はプリッと歯ごたえの厚みある身が季節らしく美味である。「淡路鱧焼霜 梅肉醤油」は夏らしい爽やかな味わい。いずれも上質の魚をきっちりと提供しており、満足度が高い造りだった。

気が付けば外も真っ暗に陽が落ちている。ここで「松茸のお浸し」が登場する。「早松茸が入ったので一口どうぞ」とメニューになかったが提供してくれた。早い秋を楽しめる粋な一品だ。滋味深い出汁と共に松茸の風味が口中に広がる。そして口直しは「とうもろこし二色のアイス 黒胡椒」、風味豊かに甘く、そしてピリッとさっぱり頂ける。
そうするうちに何だか色々と器具がセットされていく。空気清浄機に、何と炭火だ。炭火が出来るような部屋設計ではないので、色々とわざわざ手間を掛けて演出するというわけだ。焼かれるのは「天然うなぎ」「松阪牛ヒレ」という豪勢なラインナップ。これも福士副料理長が目の前で焼き上げてくれる。

まず、天然うなぎ「白焼 山葵酢卸し」「蒲焼 新生姜 胡瓜」だ。目の前で丁寧に焼かれた2種類を堪能できるのは嬉しい。皮目からしっとりした旨みがにじみ出る。ジャバラきゅうりの軽い酸味の口直しも良い塩梅である。「松阪牛ヒレ」も丁寧に焼いていく。柴漬けと大根おろしに少し酢を垂らして、浅葱と共に松阪牛の脂を堪能する。
ここですっかりお腹いっぱいではあったが、また次も興味深い。その「小皿 香の物 留椀 味噌汁」は、先程頂いた毛ガニのスープを使って炊き上げた「毛蟹ごはん」なのだ。たっぷりの毛ガニの身が入った、風味豊かで優しい味わい。もっと食べられたら良かったのだが、軽く1杯で満足する。

最後の甘味は、2種類が提供される。フィリピン産パイナップルを凍らせたかき氷だ。上からマンゴーのソースがたっぷりと掛けら香りがテーブルに広がる。頂くとソースは濃厚ながらも思うよりさっぱりと頂けた。そして「わらび餅」、さらに「ピスタチオとドライフルーツのチーズバー」で締めくくられた。もう完全に満腹満足だ。
移動が多かった旅行疲れな夜は、ホテルのレストランでゆっくり食事することが多い。この夜はそれで予約した「日本料理 華暦」で大正解であった。夕暮れ時から真っ暗になっていく水面と一体となりながら、個室でゆっくりと上質の和食を味わいつつ、福士副料理長の会話やパフォーマンスも楽しい夜となった。

Japanese Restaurant Hanagoyomi
THE KAHALA HOTEL&RESORT YOKOHAMA
1-1-3 Minatomirai, Nishi-ku, Yokohama-shi, Kanagawa
tel 045-522-0008

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