伊料理 𠮷越、2023年6月に福岡県那珂川市に独立オープンした山間のイタリアレストラン。吉越謙二郎シェフと言えば、ひらまつグループ「リストランテASO 代官山」でミシュランガイド2つ星を獲得し、「リストランテASO 福岡天神(現 リストランテKubotsu)」の立ち上げにも関わった。
こちらでは、「イタリア料理の技術をベースにしたジャンルにとらわれない料理」を提供したいという。貴重なオープン日に私達夫婦のみの貸し切りとさせて頂き、真新しい店舗でゆっくり食事できる贅沢な機会を得た。

伊料理 𠮷越 那珂川 吉越

玄関から一歩右に進んでダイニングに。一気に視界が開けまさかの完全なる美しき和の世界が広がっている。日本料理店?!奥まで広々な木の掘りごたつ式カウンター(8席)が続く。カウンター内真ん中には筆書に生け花、和包丁に木のまな板。座面は畳張りで、上には座り心地のいい座布団が敷いてある。食器も含めて和のテーブルコーディネートだ。
窓からは日差しと共に揺れる美しい緑が見え、何とも情緒あふれる風情。イタリアンレストランである事を一瞬忘れたが、奥の壁にイタリアの画家ラファエロ・サンティによって1509年に描かれた「アテナイの学堂」が見える。

伊料理 𠮷越 那珂川 吉越

そうだここはイタリア料理だったと思い返す。なるほどこの名作「アテナイの学堂」と言えば「安定したバランス構図」が特徴的で、見る人に安心感を与える効果があるという。ちなみにトイレの中に飾られていたイタリア絵画は、愛らしい天使がワインのラッパ飲みをしていてそれも楽しい。
各所に置かれたお祝いの花には全国各地の有名シェフの名前が垣間見える。まずは乾杯のシャンパンを開けよう。

アンリ ジローブラン ド クレ

ワインリストから選んだのは「アンリ・ジロー ブラン・ド・クレ(Henri Giraud Blanc de Craie Brut)」。craieとはフランス語でチョークを意味する。ミネラル感のあるすっきりした軽やかなブラン・ド・ブランで、まずは長旅の疲れを癒しつつ、お楽しみの料理の登場を待つことにしよう。
ワインをサーヴしてくれるのは、オープニング数日間だけ助っ人に来た「ザ・ひらまつ ホテルズ & リゾーツ 仙石原」の総支配人であり、ベテランソムリエでもある山﨑稔氏。

HENRI GIRAUD BLANC de Craie

シャンパングラスとミネラルウォーターのグラス、最初にセッティングされていた皿は「Sghrスガハラ」。木のナプキンリングやカトラリーなどは職人物だ。突き出しは「天草の岩牡蠣 まるちーずのペコリーノ プチトマト」。お子さんの送り迎えをする那珂川の川辺の苔をイメージしたそうだ。まるでどっしり重厚な苔盆栽のようだ。華やかな演出にわくわくする。

吉越謙二郎 イタリア料理 𠮷越

串に刺さって枝にぶら下がった熊本・天草の岩牡蠣のフライはホクホク。チーズのねっとりした風味と牡蠣の旨味が口中に広がる。別の串にはプチトマト、ピスタチオの食感を乗せてさっぱりと頂く。続く

Italian Cuisine Yoshikoshi
615 Ichinose Nakagawa-si, Fukuoka-ken 811-1233
Japan

Great restaurant with a fusion of Japanese and Italian cuisine.