京都訪問の際に伺ったのは京都フレンチ「モトイ(Restaurant MOTOI)」。我が家ではお馴染みだ。2012年にオープン以来ミシュラン1つ星を獲得しており、前田元シェフの独特の世界観が楽しめる。ワインリストが充実しているところも我が家のポイントだ。
町屋が並ぶ中京区富小路通二条下ル、元々は呉服屋だった築100年超の京町屋を再生したレストラン。暖簾が揺れる門を入り石畳のアプローチを進む。ガラス戸を空けると歴史を感じる日本家屋とモダンさが調和した素敵な空間が広がっている。

いつもはダイニングのワインセラー前の半個室で頂くのだが、今宵は敷地内奥にある蔵を改装した個室(特別室)を予約した。フラワーアレンジメントも美しいダイニングを通り抜け奥に向かう。キッチンの小窓からは、7名の厨房スタッフがテキパキと調理している様が見える。整備された日本庭園を越えたところにあるその「蔵」。石段を上がって扉を開けた向こうには、天井高の古い木の香りがする完全独立の別世界があった。
この日も、中国料理にも精通する前田シェフならではの奥深いフレンチメニューを頂いた。ちなみにこの個室でのメニューは「特別室限定コース」となる。テーブルには赤漆皿と、お馴染みの「MOTOI箸」。では、田中秀和ソムリエと色んな話をしながらワインも選んでいこう。

コロナ、円安などから日本に流通するワインは品薄感があるだけでなく高騰してる。リストを眺めつつ悩んでいると、田中ソムリエがリストにはないワインを特別に出してきてくれた。貴重なので3本のみ購入できたと言う「ジョノー・ロバン レ・グラン・ノ 2009(Jeaunaux-Robin Les Grands Nots Millesime)」だ。それを頂くことにした。家族経営のレコルタン・マニピュランでほとんど目にしたことがない。
丁寧に抜栓したボトルからグラスに流れていく透明感のあるイエローが、蔵(個室)の風情に美しく映える。シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ。熟した蜜、綺麗なミネラル、仄かな柑橘のニュアンス。泡は溶け込んでる。厚みはないがノン・ドサージュらしいシャープなアタック。洗練された上品な酸が余韻を彩る。程よい熟成感が何とも心地よい飲み口だ。

そこへ運ばれるのは定番「ヘーゼルナッツ」に加えて4種類のアペリティフは「パニプリ」「トマトの白ワインコンポート」「生麩の玉味噌」など。それに続いて「茸のフラン」が登場する。多種キノコの風味が食べた後も余韻深く残る。温かくて濃厚な秋の始まりを感じさせるスタートだ。
ワインリストにも目を通していこう。そこへ運ばれてきたのは「フォワグラナチュールとアマゾンカカオ」。50度で火を入れたフォワグラの滑らかな口当たりに、マカンボのペーストもアクセントだ。そして巨峰の上には「南米のアマゾンカカオ」を振っている。

前田シェフは南米ペルーに3週間も行ってきたという。スペイン「エル・ブジ(El Bulli)」で働き「アマゾンを食べ歩く料理人」と言われる太田哲雄シェフと、「フロリレージュ(Restaurant Florilège)」川手寛康シェフと共にアマゾン奥地に入ったと言う話を楽しく聞かせてもらう。その様子はその後TBSのTV番組「クレイジージャーニー」でも放映された。そこで手に入れてきた「アマゾンカカオ」なのだ。
そんな話題で盛り上がる中、赤ワインも田中ソムリエに相談しながらチョイスしていこう。選んだのは「メオ・カミュゼ コルトン グラン・クリュ レ・ペリエール 2011 (Méo Camuzet Corton Grand Cru Les Perriéres)」。ブルゴーニュの好きなドメーヌの一つ、10年を超えてどのような熟成感を見せてくるか楽しみだ。

赤身肉、バラのドライフラワー、スパイス。芳香量は多くないがらしい複雑な香りがゆったりと漂う。コルトンらしいミネラル感から集中したクリアな果実感へとバランスよくつらなる。若さと熟成感が刻々とせめぎ合っており、それが楽しい飲み口を形作っている。 ディナーの続きは次回に。
Fusion of Japanese and French cuisine
Restaurant MOTOI
186 Tawarayacho(tominokojidori2-josagaru) Nakagyo-ku,
Kyoto-shi, Kyoto-fu 604-0952
Japan

コメントを投稿するにはログインしてください。