紀尾井町にある「ホテルニューオータニ 東京(Hotel New Otani Tokyo)」、言わずと知れた日本のホテル「旧御三家」の一つだ。1964年東京オリンピックに向けて建設されたこの巨大ホテルは、2万坪の敷地に3棟のピル、1400以上の客室と34の宴会場、レストラン38店にショップ200店とさすがの規模である。
更に500年の歴史を誇る日本庭園(旧伏見宮邸宅)、赤いバラ園、都内シティホテル最大級のガーデンプール(2000m2)などなどとにかく広い。しかも年間宿泊客数が約50万人と言うから驚く。今の日本はどこに行っても外国人観光客が多いが、こちらは以前と変わらず日本3世代家族が穏やかに過ごすといった風情も残す。

そんな老舗ホテルが誇る人気ペストリーブティック「パティスリーSATSUKI」 。ホテルニューオータニ・中島眞介総料理長のオリジナルケーキと焼きたてのパン約100種が頂ける。と言う訳で秋の美味しい季節、毎年販売されている秋季限定「スーパーモンブラン」を買いに来た。
スーパーモンブランの原型「東京モンブラン」が登場してからもう23年。素材や製法にこだわって作り上げて人気を誇る「スーパーシリーズ」ならではの、こだわりがぎっしりと詰まった秋の風物詩。相変わらずずっしりした重量感と値段(1個3780円)が迫力だ。

毎年進化し続けてきた「スーパーモンブラン」。中島総料理長曰く「和栗本来の味わいをお愉しみいただきたい」という事から今年のマロンペーストは旬の和栗。栗の王様「銀寄」や希少な「人丸」など、全国から厳選した和栗を使用している。食べ頃の品種を使用するため時期によって味わいが変化するという。
重ねられた濃厚マロンペーストの中には、新たに「黒蜜あんこ」「白あん抹茶くず餅」、大牟田産生クリームに包まれた「熊本県産和栗の甘露煮」を加えた。

隠し味に青ヶ島産「ひんぎゃの塩」を、クッキーの様な土台のタルト生地にはホテルオリジナル雑穀「Jシリアル」を使用した。生クリーム量を最小限にする事で、和栗の味わいと香り・食感を堪能できる構造になっている。
そんな訳でついでにもう1種類、リニューアルした期間限定「新モンブラン」も購入してみた。こちらは小ぶりの1個 980円だ。茨城県産「いわまの栗」など国産栗を使用したマロンペーストは、「スーパーモンブラン」に比べたら食感含めてかなりさっぱりしてる印象。土台にも栗を使用し丸ごと栗だけを感じられる。まろやかな基本の「モンブラン」といった風情だ。

とにかく何を言っても「スーパーモンブラン」。ずっしりと大きく迫力な見た目通り、いや見た目以上に実は一人では食べきれない。大量な和栗ペーストの甘く濃厚なねっとりした食感に、分厚い土台タルトのザクザク感。余韻には口中いっぱいに和栗の風味が長く漂う。本当に栗をほおばったようだ。そこに抹茶くず餅やあんこのプラス感も追いかけてくる。毎年楽しみにしている人が多いのも分かる、栗好きには外せない恒例の一品といえるだろう。

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